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とちぎ結婚支援センター・下野新聞社

とちぎマリサポソリューショントーク

オール栃木で縁結び!!企業や団体が出会いの場を提供

オールとちぎの結婚支援~結婚を望む人へ寄り添うサポート~

とちぎマリサポソリューショントーク「特別座談会」

県や市町、関係団体で構成する「とちぎ未来クラブ」では、結婚を希望する男女に対し「オールとちぎ」で総合的な結婚支援を行っています。今回、企業や団体における結婚支援をテーマに特別座談会を開催し、様々な立場の方から本県ならではの結婚支援の在り方や課題解決策について意見交換しました。

 

■出席者

栃木県保健福祉部こども政策課 阿久澤 真理課長

株式会社ハヤブサドットコム  野田 和郎社長

一般社団法人愛媛県法人会連合会(えひめ結婚支援センター) 岩丸 裕建事務局長

宇都宮共和大学シティライフ学部 和田 佐英子教授

 

本県の結婚事情

和田さん 未婚化、晩婚化が進行し、少子化対策の一つとして「結婚支援」がキーワードになってきています。栃木県の現状や対策など教えてください。

 

阿久澤さん 本県の出生数は今や1万5千人を切っています。生涯未婚率も20年、30年というわずかな期間にかなり上昇しました。製造業が盛んな本県は独身男性が全国一多いと言われています。逆に、就職に関して女性は東京にそのまま残る傾向があるので、それも独身男性の多さに影響していると思います。そこで、結婚支援の施策として、昨年1月に「とちぎ結婚支援センター」を立ち上げました。1対1のマッチングを中心としたサービスを県内3センターで実施し、登録者は1,800人を超えました(2月末現在)。その他、出会いイベントや男女間を取り持つ結婚サポーター活動など複合的に展開しています。

 

 

独身社員の現状

和田さん 独身男性の割合が全国一高いという状況について、事業主として野田さんはどうお感じになりますか。

 

野田さん 当社に関しては概ね50対50です。特に社内結婚も多いので、調査結果を見た時は驚きました。女性は東京に行くと帰ってこない傾向が強いとのことですが、抜本的な対策が必要なのではないでしょうか。

 

和田さん 大学でゼミ生が結婚支援の研究をしていますが、若者は結婚の意思がないわけではなく、9割は結婚を希望しているというデータもあります。社会的な機運を高めていく必要があるのではないでしょうか。

 

 

結婚支援対策の必要性とその取り組み

和田さん 野田さんが所属している「栃木県経済同友会」では、少子化対策について調査研究されているとお聞きしました。

 

野田さん 2017年度から産業政策委員会の委員長を務めさせていただいています。テーマは「栃木県版働き方改革」で生産性向上に取り組んでいるのですが、生産性と言ってもマーケットが広がらないと意味がありません。マーケットを広げるには人口が増えないといけませんし、そのためには出生率の向上が必要です。そこで出生率を上げるには何が必要かということで調査研究を行っており、来年にも県に提言書を提出する予定です。

 

阿久澤さん 本県の現在の合計特殊出生率は1.46です。県民アンケート調査によれば、結婚、出産を希望している人は多く、その希望を実現するため、行政として何が必要なのか、時代の新しいニーズを捉えていかなくてはなりません。

 

野田さん 子どもを産んで将来幸せになれるのか、という不安が解消されないと支援をしても機運は盛り上がらないと思います。当社では育児のための短時間勤務の対象となる子の年齢を小学校3年まで拡大していましたが、小学校4年の子どもを持つ社員がいて制度を小学校6年まで延ばしました。制度を整備した結果、出産して辞める社員は非常に少なくなりました。

 

和田さん 愛媛県は結婚支援の先進県として私たちも注目させていただいています。愛媛の結婚支援の現状はどうでしょうか。

 

岩丸さん 栃木と比較すると、愛媛の人口は約130万人と少なく、超高齢社会で危機感は高いです。愛媛県が注目されたのはセンターの会員行動データを活用し、徹底的にIT化したことにあります。なかなかうまくいかない会員に、違った角度から好みの相手を見つけてはどうかというアドバイスをしたところ効果が表れました。このように、結婚支援は独身者にどう気付きを与えるかが大切になると思います。愛媛県は社内結婚という例は多くなく、そこで、様々な企業が集まって異業種交流会行う大運動会を開催し盛況に終わりました。地方にはその地方の特性があります。そこを見定めた上で結婚支援を行うことが必要です。

 

和田さん 結婚の応援は地域活性化にもつながると思います。野田さんの会社では、結婚支援に繋がる取り組みをされていますか。

 

野田さん 当社は事業所内で託児所を作りました。男性が育児休暇を取りやすくするための支援もしています。そのように安心して働ける環境整備をすれば自然と結婚する人も増えるし、子育てもしやすくなるのではないでしょうか。ワークライフバランスの推進や働き方の改善により、生産性を高め業績向上を図ることで、安定した収入や生活時間の確保にもつながり、独身者が結婚を人生の選択肢として考えるきっかけになると思います。

 

和田さん 素晴らしい取り組みだと思います。最近の学生の就活の傾向をみると、自分のライフプランを実現できる企業かどうかも判断基準の一つにしているようです。

 

 

企業の結婚支援活動のポイント

阿久澤さん これからの結婚支援では、企業と連携して支援に取り組むことが重要になってくると思います。企業と連携を行う上で、大切なポイントはありますか。

 

野田さん 「結婚」を前面に出すと簡単ではありませんが、「出会いの場」という切り口であれば違うかもしれません。

 

岩丸さん 結婚支援の必要性を企業に丁寧に説明しています。人口減少、人手不足は企業にとって大きなリスクであり、その解決策の一つとして結婚支援事業があると企業に理解を求めています。また、社員にコミュニケーション能力を高めるセミナーなどの実施の必要性もあるかと思います。

 

 

オールとちぎの結婚支援の解決法

岩丸さん 共に働き、共に明るい社会を築いていく目標を見つけていきたいですね。ライフステージに応じた将来像を啓発することも重要だと思います。

 

野田さん オールとちぎで結婚支援をしていくには、環境整備が大切だと思います。結婚に直接結びつけようとするよりも、未婚の男女が集まる場を提供したり、そこで触れ合う場を提供するなど間接的な取り組みも大切ですね。

 

阿久澤さん 結婚支援は子育て、教育などさまざまな問題を解決し、住みよい栃木県にするための入り口なのだと思います。

 

和田さん 結婚支援は人づくりに繋がる支援であると言えます。行政だけでなく企業や地域など県民総ぐるみで取り組んでいかねばならない重要な課題です。企業が、結婚支援をはじめ、社員のライフプランの実現に取り組むことは、人材の確保・定着という意味でも必要であり、人づくりに熱心な企業が選ばれる時代になってくるのではないでしょうか。

 

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